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屋根の軒先から外壁までの距離を「軒の出幅」と言います。基本的に屋根は雨や強いひざしから建物を守るためにあります。つまり屋根は建物の雨傘でもあり日傘でもあるわけです。ですから大きな傘であればあるほど中にいる人を雨や日差しから守ってくれます。ですから神社仏閣と同じように昔から軒の出幅は長ければ長いほど良いと言われてきました。しかし軒の出に関しては少し違った考え方をしなければならない点もあるようで軒が全く出ていない家も増えています。隣地との境界では軒の出幅が邪魔になりやすく強風時には家が揺れやすい、建築コストも高くなるという欠点もあるようです。軒の出幅が大きいと昔のうだつと同じように立派な家というイメージがあります。敷地の広さにも予算面でも余裕があり、台風や地震対策もしっかりとなされていれば「軒の出は長いほど良い」ということになります。しかし昔の外装資材と違って現代では光触媒や特殊塗膜を使った外壁タイルやサイディング、塗料などが開発されています。このような製品は外壁に光や雨が当たることが前提となっているため、長い軒の出で日光や雨がカットされるのはかえって都合が悪いそうです。つまり軒の出幅が長ければ外壁に雨が当たらないので汚れを洗い流せないというのです。そんなわけでこれからの住宅は異常気象による環境の変化、敷地面積や法規、予算、そしてデザイン等々を総合的に考え合わせて軒の出幅寸法を決めるようにしたいものです。一般的な住宅であればやはり雨仕舞いの観点からも軒は必要で、軒の出幅は60cm、先の外壁材がセルフクリーニング仕様の場合は45cmにすることがお薦めです。90cm以上の軒の出にするときは、風速50mも想定内として補強しておいたほうが良いのではないでしょうか。壊れないまでも強風で家が揺れるのは不安なものです。